自主営業と強制執行(京品ホテルについて)

1月25日京品ホテル強制執行

京品ホテル強制執行 飛ぶ怒号届かぬ声

強制執行反対」「警察官は帰れ」。解雇後も自主営業を続け、強制執行に抵抗する元従業員ら。執行官に同行した警視庁の機動隊員は、力ずくで元従業員や支援者を排除していった。東京・品川駅前の京品ホテルは25日、騒然とした空気に包まれた。「必ず職場に戻る」。元従業員らは法廷闘争を続ける方針だが、職場復帰できるかどうかは厳しい情勢だ。 

ホテル玄関前には東京地裁による強制執行に備え、午前五時ごろから、元従業員や元従業員が所属する労働組合東京ユニオン」の組合員らが集結。「従業員の生存権を奪わないで」と書かれたゼッケンを着け、腕を組んで「人間バリケード」をつくった。

警視庁の機動隊員も続々と到着。午前七時ごろ、執行官が警備員とホテル内への立ち入りを試みたが、失敗。いったんは組合側との話し合いに応じたが、午前九時ごろ、機動隊員を伴って強制排除に乗り出した。
機動隊員が元従業員らを一人、また一人と引き離していく。「痛い」「やめろ」「人の心がないのか」。怒号が飛び交う。約三十分間、激しいもみ合いが続いた後、執行官がホテル内に入り、関係者全員を外に退去させた。

◆96日間に及んだ自主営業
一八七一(明治四)年創業の京品ホテルの経営会社「京品実業」は、バブル期の多角経営に失敗して借金がかさんだ。借金返済のためホテルを売却することにし、昨年五月、急きょ従業員らに同十月二十日での廃業と解雇を通告した。
従業員側は「営業利益の出ているホテルを廃業するのはおかしい。従業員に放漫経営のしわ寄せをした」と反発。「会社が納得できる説明をせず、話し合いに応じない」として法的措置をとりながら、解雇後も五十人前後が自主営業を継続。経営会社との交渉の糸口を探ってきた。
京品実業小林誠社長は当初から「廃業、解雇の方針は変わらない」と主張。解雇された元従業員らが自主営業を始めた後も、ホテルを「空の状態」で売却する方針を崩さず、元従業員との膠着(こうちゃく)状態が続いていた。
ホテルと一部の直営飲食店での自主営業は年を越し、二十五日の強制執行の前日までで九十六日間に及んだ。新しい職場に移っていく元従業員もいたが、残った人たちは交代で働き続けた。
元従業員らは自主営業で、飲食店の仕入れや光熱費を賄えるだけの利益を上げた。この利益から給料は得ておらず、諸経費を除いた残金は経営会社に渡すため、銀行口座にプールしている。
元従業員らが所属する東京ユニオンによると、これまでに支援の署名は五万人を超えているという。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009012602000081.html

京品ホテル関連の経緯については↓も参照ください。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081112/111836/


半月近く前のニュースですが、1月25日、自主営業を続けていた京品ホテル強制執行が行われ、元従業員たちの「占拠」状態が解消されました。私はこの「京品ホテルの闘い」に(後述する観点から)つよい関心を持っていて、また、自主営業を続ける従業員たちを応援したい気持ちがあったので、昨年中から自主営業中の居酒屋<いの字>を利用するなどしていました。1月24日にちょっとした用事があって品川に出向いた際に、「1月25日未明に強制執行の見込み!」とのビラをもらったので、「野次馬」としてなにか協力できないかと思い、25日5時半頃、京品ホテル前に行きました*1



私が着いた頃には、スクラムを組んでる人たちのまわりに報道こそいっぱいいましたが、警察の姿はまだ見えませんでした。

ところで、なぜ25日「未明」であると想定されていたのか? 京品ホテルのすぐ隣にある<マクドナルド ウィング高輪店>が6:30開店のこともあり、品川駅高輪口周辺に人通りが増えてくる前に執行されるだろう、との予想があったのだと思います。しかし実際はかなり人通りの出てきた9時に執行されました。この事実は案外重いような気もします。



左:従業員側で指揮していた人 右:公安で指揮していた人



6:30くらいから私服の公安警官も含め警察が増えてきて、スクラムからの帰れコールの中、公安の人が直接交渉を試みる。



そのすぐあと(7時頃)、マクドナルド方面に集結していた「シンテイ」と最初の衝突。しかし、入り口前に固まっているスクラムをどうすることもできず、数分で撤退しました。




その後、組合側と執行官側との一時間におよぶ協議が(マクドナルドで)行われ、すっかり日が昇った品川駅前はいよいよ人通りも増えてきました。


そして、9時頃、二度目ということで覚悟を決めて、シンテイと制服警官がやってきました*2



かくして、三ヶ月を越える「異常事態」*3は解消され、品川駅前に諧調が戻ったのです。

疑似非暴力体制としての諧調


私がこの件に注目していたのは、自主営業という従業員たちの行動がまさに「直接行動」というかたちで品川駅前に乱調を提供し、「諧調」が内在する疑似非暴力体制の欺瞞性を暴き立てていたからです。労使関係が本質的に階級的敵対性/不平等性を孕んでいたとしても、通常は(個別のイシューについて)双方の努力によってなんらかの合意が得られ、諧調は保たれる。しかし、今回の京品実業の件のように、経営陣だけの都合から解雇通告に至ったといういきさつがあった場合に、その理不尽さが労使関係を完全に引き裂いてしまった。この引き裂かれた状況の中で、経営側はあくまで「合法性」を頼りにし、労働者側は自らの「正当性」に基づいて「自主営業」という「いつも通りの労働」を続けたわけです。そしてこの「品川駅前の乱調」は、司法機関が経営側に「合法性」のお墨付きを与えたことで「合法性」とも対峙することになり、結果として警察がホテルから従業員を排除する――国家暴力を白日の下に引きずり出したのです。

ガンジーは、各地から集まる農民をひきいて数十日のデモ行進を組織したが、たちまち禁止され、弾圧投獄があいついだ。にもかかわらず行進は、途中の町や村からの人々を加え、海岸へと進んでいった。そこで海水を採り、自ら製塩を行うというものであった。

それは、(イ)あくまで、法をおかしてでも行進をつづけることにおいて。(ロ)塩専売法を無視し、必要な塩を自ら採ることにおいて直接的に、それゆえ根底的に国家権力と対立するものとなった。

(中略)

それは<合法非合法を越えた存在行為>である。

彼が行進に参加して、抗議を行うこと。さらにその必要によって製塩することは、その正当さにおいて法的是非を越えたものである。国家はかならずその違法を問う。だがその法は彼の<正義>を罰することによって、みずからの悪を露呈せざるをえない。合法は権力者の<名分>であるだけで<正義>の保証ではない。直接行動に対して、法律がその強権をふるえばふるうほど、それは<法律そのものの不正義>を証明し、墓穴を掘ることとなる。

向井孝「現代暴力論ノート」,大沢正道編『アナキズムと現代』三一書房所収,p189-190


しかし、ここでいう「国家暴力」は強制執行の瞬間にあらわになったものそれだけではない。今回、京品ホテルの従業員の「正当性」を一切考慮しなかった司法機関/警察権力/「合法的な」経営形態、は総体として政治機構として、これまでも存在していたし今も存在している。そして、この政治機構は例外的対立として暴力を行使するのではなく、この政治機構自体が暴力装置として機能している。

「国家の暴力」は、「行為」そのものに加えられ、「行為」そのものを抑圧する。それは、「反-行為」(『弁証法的理性批判』におけるサルトルの言葉では「反-実践」)としての「暴力」なのであり、言い換えれば人間を無力化するシステムとしての暴力である。またそれは、人間を「孤立化」し「分離」するシステムそのものとしての「暴力」なのである。その意味で、「国家の暴力」とは、市民の「社会的平和」と何ら異なったものではない。この「平和」は、いわば暴力としての平和なのである。

永野潤「合法性が正当性を虐殺するとき」,『情況』2006年1・2月号,情況出版,p81-93
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/6142/ronbun/gohosei.html


今回の「京品ホテル闘争」において、また時としてひどく対立しもつれた野宿者排除の風景*4が報道されるとき、その対立の風景の解消をもって、「異常事態」は解消されたと人は言う。しかしそれは、対立の緊張状態が一時的に抑えられただけで、対立の解消を意味しない。国家暴力の圧倒的な力の介入によって「緊張状態」の持続を断念させられただけなのだ。

品川駅前に諧調が戻ったことは、何一つ解決を意味しない。この国の民主主義がまた一つ汚点を重ねただけ。


【関連】
京品ホテル強制執行 - MOJIMOJI's BLOG
http://www.mojimoji.org/blog/0138

*1:「野次馬!?」と思われるかもしれませんが、一般人の目があることが警察暴力にある程度の「自制」を期待させる要素になるので、結構重要なのです。

*2:野次馬もろとも突っ込んできたので、なんだかんだで私もかなり奥(ホテルの玄関)まで押し込まれ「むぎゅう」ってなったり軽くケガしたりしました……。

*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E5%93%81%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB

*4:この風景の影で、「日常的な」排除がまさに野宿者問題そのものの根本原因の一つであることが忘れられる。

はてなからメールが届きました・2通目

「コメント」についての経緯

先日のエントリの後、id:fuku33さんからトラックバックをいただいたのを追記でお応えしたりしつつ、fuku33さんとコメント欄でやりとりする機会がありました。

その際、私からfuku33さんによる「卑劣な嘘」等々の表現について訂正をお願いすることにしました。

>fuku33さん

ちょっと考え直したのですが、あなたのエントリでの「嘘つき」呼ばわりっぷりはやっぱりひどいです。コメント欄と【追記2】ならびに、hokusyuさんやkyo_juさんのエントリを読めば、「真っ赤な嘘」という認識自体が誤りである(誤読でしかない)ことはご理解いただけましたよね? 「子供っぽい嘘を書いてはいけません。滑稽ですよあなたは。」等々の強い口調での非難は、元々が誤読に基づくだけに、むしろfuku33さん自身の名誉を傷つけるものでもあると思います。修正要求などは私としても本意ではないんですが、fuku33さん自身がはてなのコミュニティの健全性について強い問題意識をお持ちのようだし、下記の部分の訂正、または削除をお願いします。


>id:Romanceさん、「当該のコメントを引用するわけにもいかないので控えますが」などと言い訳すれば表面的には繕えるようですが、削除照会をした私の側が照会内容を確かめればすぐ底が割れるような子供っぽい嘘を書いてはいけません。滑稽ですよあなたは。

>Romance氏のような虚偽を交えた自己弁護

ともにhttp://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207より

(二番目の引用箇所はhokusyuさんについての箇所で、私としてはhokusyuさんも「虚偽を交えて」などいないと思っていますが、とりあえず私に関わる部分だけ訂正をお願いします。)

>id:Romance氏の記述には卑怯な嘘があります。

http://b.hatena.ne.jp/fuku33/20090207#bookmark-12011453

>このエントリーに絡めてid:Romance氏が事実と異なる情報をはてなからメールが届きましたと題して書いています

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20080522/1211444127


コメント欄で記法が十分に使えないため多少わかりにくいかもしれませんが、「>」印以下で引用した4箇所について対応をお願いします。

急ぎませんので、ご体調の良いときにでも。回復をお祈りしております。

(念のために、http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207へもコメントしておきますね。)

http://d.hatena.ne.jp/Romance/20090207#c1234101794

なぜこんなお願いをしたのかは後述します。引用コメント最後の括弧内に書いたように、私からのお願いがfuku33さんに伝わらないと困ると思い、fuku33さんのエントリにもコメントしようと思ったのですが、コメント欄が入力可能な状態にならず、コメントすることができませんでした。*1
幸い、fuku33さんからすぐにコメントをいただき、私を拒否設定にしていない旨などすぐに確認がとれました。とはいえ、私としても何度試みてもコメントができないので困り果てていました。というのも、fuku33さんは私の「念のために、http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207へもコメントしておきますね。」に強く反応されていたからです。時系列順に引用します。

私の方も病臥中ですぐ対応できるかわからないので特にせかす気はないのですが、Romanceさんがこのエントリーにコメントを書かれるということをおっしゃっていましたが、私がこのコメントを書く時点ではまだ書かれてはいないようです。

2009/02/09 12:15
http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207/1233980753#c1234149305

Romanceさん、私のエントリーにコメントをされると昨夜書かれていましたが、まだ書かれていないですね。別に急かしはしませんが、ここで確認しておきますが私がコメントを承認していないわけではないですからね。

2009/02/09 14:46
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20090207/1234027545#c1234158394

muffdivingさんのところをこれ以上お騒がせするのも失礼ですから、こちらに書きます。私としては、上記のコメントを私のエントリーに対して書いて頂きたいと思います。今回の件で直接の関係者はRomanceさんですから、Romanceさんが書かれたらそれに対して返事を致します。他の方がなにかこの件に触れようとしても、まずRomanceさんを優先して対応します。
そして私は、Romanceというアカウントに対してはコメント拒否設定はしていません。承認制にはしてありますが。ですから書き込めないとすればなにか技術的な齟齬が発生しているか、もしかするとそちらがブラウザの機能でサブアカウントのモードになっているとか、そういうことではないですか。

2009/02/09 16:54
http://d.hatena.ne.jp/Romance/20090207#c1234166076

fuku33さんとしては、私がコメントすると公言しながら実際にそれらしきものが上がってこないことでもって、誰か第三者が「id:fuku33id:Romanceのコメントを承認しなかったのではないか」というような疑いを抱くことを強く警戒されたようです。そのようなことは事実に反するし、fuku33さんに事実無根の疑惑の眼差しが向けられるとしたらそれは私にとっても全く不本意なことでしたので、私も「まだコメントは記入していない。っていうかできない。技術的な問題であろう。」という旨を書き添えました*2。また同時に、はてなの「お問い合わせ」への照会も行いました。

はてなからメールが届きました

本日(2/10)18:48付けで、はてなサポート窓口の井上様からメールが届きました。

お問い合わせいただきました件につきまして、
はてなにて確認いたしましたところ、
コメントを書き込めない設定になっておりました。

fuku33様には、コメントが書き込めない設定になっているとの
ご連絡させていただきました。

というわけで、fuku33さんの方で設定がなにか錯綜していた(?)ようです。念のためここに書いておきますが、私はこの程度のことで気分を害したりはしないのでご安心ください。ひとまず原因が分かってほっとしています。今現在コメント記入可能になっているかどうかはまだ確認していないのですが、fuku33さん自身がエントリ「私が削除照会したブックマークコメントの内容について - 福耳コラム」のコメント欄に私がコメントを記入することに強くこだわってらっしゃった*3こともあるので、fuku33さんがはてなからの連絡を確認し次第、fuku33さん本人から私に対して何らかの説明があるかと思います。とりあえずこの「コメント問題」ではid:hokusyuさんやhokusyuさんのエントリのブックマークの方々にもお手数をおかけしましたので、報告の意味もこめてこのようなエントリを挙げました。

すぐ上に「fuku33さん本人から私に対して何らかの説明があるかと思います」と書きましたが、fuku33さんは現在体調を崩されているということですので、私としては急かす気持ちは全くないし、全快されてからゆっくり対応していただければいいと思っています。

id:fuku33さんへのお返事

さて、「コメント問題」はほぼ解決とみていいと思いますが、私の上記の経緯説明によってfuku33さんに対して不当な疑念が持ち上がる可能性は払拭できたと思いますし、また、実は本エントリ冒頭で引用した私からの「お願い」についても、fuku33さんより回答をいただけたので、もう私が「私が削除照会したブックマークコメントの内容について - 福耳コラム」のコメント欄にコメントする必要はないかと思います。というわけで、「念のために、http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207へもコメントしておきますね。」の一文は撤回いたします*4。その上で、fuku33さんからの回答を引用の上お返事いたします。

なにかの技術的トラブルで、当ブログのコメント欄にコメント拒否設定していない方も書き込めなくなっているようです。id:Romanceさんも書き込めないでいらっしゃるようですので、
http://d.hatena.ne.jp/Romance/comment?date=20090207#c
を踏まえて、Romanceさんが書き込まれるはずの問いにひとまず私がここで答えられればと思います。

要点は二つあると思います。まず、
「私は当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて、エントリの問題点を指摘した上で批判しているのであり、」
という部分の解釈ですが、普通に読めば「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」という日本語は、まさにこのまま「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」という「エントリー」のURLにつけられたブックマークのコメント」と解釈されると思います。
Romanceさんは、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」という表現を、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリーへの批判の意が込められているが直接的には他の第三者が書いたエントリーにつけられたブックマークコメント」を意味されたかったようですが、それは書かれた当人がそのつもりでも、読む方はそんな特殊な読み方は普通しません。
考えてみて下さい。例えばこの件について特に先入観のない第三者に、「Romanceさんの「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」」を探して私に教えて下さい。」と頼んだら、その人はまず普通に「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」」というエントリーに直接つけられたRomanceさんのブックマークのコメントを指し示すでしょう。
その第三者に、「いえ、実はそれではなく、このブックマークコメントを指し示して欲しかったのです。」と言って、
http://b.hatena.ne.jp/Romance/20080818#bookmark-9662613
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/tikani_nemuru_M/20080816/1218813144
このブックマークコメントを見せたら、相手はなんというでしょうか?
「いやいや、これはRomanceさんが「人のやさしさがあふれているから、今日は雨が降るんじゃないかな - 地下生活者の手遊び」というエントリーにつけたブックマークコメントであって、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」ではないじゃないですか!」と普通言うのではないでしょうか。
やはり日本語の読み方として、「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」と書かれていればまず、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリーへ直接つけられたブックマークコメント」」と解釈します。Romanceさんはそのつもりでなく書かれた本人だから、自分の表現したい意図と表現そのものの食い違いを客観視されにくくなっているのではないですか。
また、Romanceさんが本当はこう表現したかった、という補足を読んでからこれを読むと、「言いたかったこと」についてのイメージが頭の中に出来て、それが足りない表現を補完しながら読むので、「ああ、そういいたかったのか、そうとも読めるかも知れないのかな?」と錯覚してしまうかも知れませんが、それは典型的な後知恵バイアスだと思います。なぜそういえるかというと、そうやって補完されてやっと成立するように見える解釈が、他の事例では成り立たないからです。また、「Romanceさんが表現したかったのはこういう意味なんだ」と補足部分を読んでそう思えるようになったかと思っても、逆の聞き方をしてみるとどうでしょう。
「でもこのブックマークコメントは、「「人のやさしさがあふれているから、今日は雨が降るんじゃないかな - 地下生活者の手遊び」へのブックマークコメント」ではないのですか?」
こう聞かれて、「そうではない」と答えることは日本語を操るときの生理的感覚としても難しいと思います。「うん、そうなんだけれども、この場合だけは、書き手が表現したかったのはまた別の意味で--」となるのではないですか。日本語の語感として、「「X」へのブックマークコメント」と聞かれれば、先入観のない状態では一般的には「X」というエントリーのURLにつけられたブックマークコメントの意味と解するのが自然だからです。私が誤読をしたという人たちは、試しに中立的な表現で「Aさんが言う「「X」へのブックマークコメント」という表現をBさんはどう理解するのが一般的か」と冷静に見直してみてはどうでしょう。
別の意味をイメージしていたRomanceさんが「そのつもりでなかった」というのなら、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」という部分の表現を、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリーへの批判的意味合いが込められてはいるが形式的には他のブロガーが書いた他のエントリーにつけられたブックマークコメント」と書けば間違いではなかったと思います。しかしそうではなかったのですから、私が「Romanceさんの記述には虚偽がある」と指摘したのは間違いではありません。

もう一つ要点があります。私が「子供っぽい嘘」と表現した対象は、「削除照会したブックマークがなににつけられたものか」という点以外にもう一つ、それが「エントリの問題点を指摘した上で批判している」という表現に合致するものではない、という点です。この点では上に書いたとおり、「三宅秀道、何度でも言う 福耳の元エントリは最悪 」という二つのタグと11文字の表現はただの悪罵であって、「エントリの問題点を指摘した上で批判している」ものでないのは明らかです。もうひとつの例もそこは言うまでもありません。
私は「「福耳は最悪」というブクマコメントに対して、「私は最悪なんかじゃないですよ」とか言い返すことに意味がありますか?」と書きました。尾籠な表現で恐縮ですがこれはつまり、「うんこを投げられてそれはうんこ投げじゃないかと言い返すことなんか無意味では?」というつもりです。例えば私が「Romance, 何度でも言い返す 福耳の元エントリは最悪に非ず」とか書き返すことにはなんの意義もないでしょう。

はやくコメント欄の技術トラブルが解決すればいいのですが。非常にゲスな勘ぐりをしている人もいるようですし。

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20090207/1233980753#c1234240985

長々とたとえ話を交えて書いていますが、「私が「Romanceさんの記述には虚偽がある」と指摘したのは間違いではありません。」との結論は全く受け入れられません。

当該のコメントを引用するわけにもいかないので控えますが、「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリへの批判的な発言を、「言及されている当事者様」が「公然と侮辱する内容」だとお感じになったとのことです。そう感じたなら仕方ないかな、とも思いますが、私は当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて、エントリの問題点を指摘した上で批判しているのであり、個々の問題点に対する明確な応答のないまま削除依頼という「お上に訴える」やり方で対処されたのは極めて残念です。

私がこの一節で「虚偽」を書いているとのことですが、まず「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリへの批判的な発言」という表現には何ら問題ありません。一般的な読解においても、一片の「虚偽」も含まれないことは直ちに理解されると思います。詳しくは「私が削除照会したブックマークコメントの内容について - 福耳コラム」に引用されている、削除照会対象コメントを参照してください。当該のブックマークコメントで批判的に話題にしているのは「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリに他ならないことは誰が見ても明らかでしょう。

私は当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて、エントリの問題点を指摘した上で批判しているのであり、個々の問題点に対する明確な応答のないまま削除依頼という「お上に訴える」やり方で対処されたのは極めて残念です。

次に後半部ですが、ここでいう「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」は削除照会対象コメントのことではありません。ここで「え! そうだったの!?」ってなりますか?? 一般的に。「当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて」と同格の表現にしつつ、また、指示語を使わずに「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて」と「どのエントリへのブックマークコメントか?」を一から説明しているので、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリへの批判的な発言」=削除照会対象コメントと混同されることはないと思いますし、私も混同されないように意図しています。断言しますが、これはごく常識的な読解の範囲で全く問題なく把握できる文章です。

そこで私が問題にしたいのは、fuku33さんの下記のような表現です。

id:Romanceさん、「当該のコメントを引用するわけにもいかないので控えますが」などと言い訳すれば表面的には繕えるようですが、削除照会をした私の側が照会内容を確かめればすぐ底が割れるような子供っぽい嘘を書いてはいけません。滑稽ですよあなたは。

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/2009020*5

Romance氏のような虚偽を交えた自己弁護

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/2009020*6

id:Romance氏の記述には卑怯な嘘があります。

http://b.hatena.ne.jp/fuku33/20090207#bookmark-12011453*7

このエントリーに絡めてid:Romance氏が事実と異なる情報はてなからメールが届きましたと題して書いています

http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20080522/1211444127*8

「子供っぽい嘘」「虚偽」「卑怯な嘘」*9といった表現は、文意解釈における異説とかそういった次元を越えています。つまり、id:Romanceはなんらかの意図を持って、事実と異なる情報を書いている。ブックマークが非公開になって確認できないのをいいことに、嘘を並べてfuku33に悪印象を与えようとしている。」というような、私も知らない「意図」を一方的に仮構する表現です。こういうのを「ゲスな勘ぐり」というのではないでしょうか。というか、「勘ぐり」という以上に、あまりに飛躍しています。重ねて書きますが、私のエントリに事実と異なることは書いていないし、読み手をだますような意図も全くありません。こんなことは普通に読めばわかることです。

また、もし仮に、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」という日本語云々で私がミスリードを意図しているとして、それで私が何か得するのでしょうか?

私は当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて、エントリの問題点を指摘した上で批判しているのであり、個々の問題点に対する明確な応答のないまま削除依頼という「お上に訴える」やり方で対処されたのは極めて残念です。

私は実際に、当ブログのエントリ*10と、「「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメント」において、エントリの問題点を指摘した上で批判しています。なぜ私が嘘をついてまで必要のない印象操作をする必要があるんでしょうか?


最後に。私は「訂正、または削除をお願いします」と書きましたが、これは特別はてな経由でお願いはしていないし、fuku33さんが対応されるかどうかは全くの自由です。

*1:サブアカでブックマークしてブコメでこのコメント欄にリンクを貼るなどはしました。

*2:http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20090207/1234027545#c1234164282http://d.hatena.ne.jp/Romance/20090207#c1234169600

*3:http://d.hatena.ne.jp/Romance/20090207#c1234166076

*4:コメント欄は編集ができないため、コメント自体は残りますが、ご理解ください。

*5:強調は引用者

*6:強調は引用者

*7:強調は引用者

*8:強調は引用者

*9:別のところでは「真っ赤な嘘」というのもありました。

*10:http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080523#p1

はてなからメールが届きました【追記あり】

私のブックマークコメントについて、削除依頼があったみたいです。そして現在、私のブックマークページは強制的に非表示設定中になっています。

だいたいお分かりかと思いますが、id:D_Amonさんが書かれている件と同じ方からの申し立てのようです。

【参考】
はてなから連絡があった - 模型とキャラ弁の日記
http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20090114/p2


当該のコメントを引用するわけにもいかないので控えますが、「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」というエントリへの批判的な発言を、「言及されている当事者様」が「公然と侮辱する内容」だとお感じになったとのことです。そう感じたなら仕方ないかな、とも思いますが、私は当ブログにおいて、また「ケーキを売ればいいのに - 福耳コラム」へのブックマークコメントにおいて、エントリの問題点を指摘した上で批判しているのであり、個々の問題点に対する明確な応答のないまま削除依頼という「お上に訴える」やり方で対処されたのは極めて残念です。

fuku33 2008/05/23 00:17
>reponさん
早速ブコメで「あたまがわるい」などと呼ばれておりますが、そういう方は結局はルサンチマンの海で自分の吐いたアジテーションに溺れているだけですね。夢想的理想に照らして地道な問題解決努力を馬鹿にすることほど楽なことはないのですが、そういう人は、その場しのぎ以外の改善の可能性にはなんら益しない。反吐が出るようなヒロイズムの臭みを感じます。でもそれがああいう人たちの真の目的だから、対話は成立しないでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20080522/1211444127#c

まあ、このコメント*1を見てもわかるように、批判者に即座に「ルサンチマンの海で自分の吐いたアジテーションに溺れているだけ」「反吐が出るようなヒロイズムの臭みを感じます」などとレッテル貼り/人格攻撃/公然と侮辱をすることに全く躊躇ない方なので、まあこういう展開になるのも仕方なかったのかなとも思うんですね。*2

というわけで、指摘されたコメントを消すなりなんなりすればよかったんですが、うっかり放置しているうちに非表示処分が発動されてしまいました(笑)
いざされてみると、記念に非表示のままにしておくのもいいかなという気もしてきたので、処分を甘んじて受けたいと思います。消せと言われて自分から消すより、強制的に全て消される*3ままにしておくことに意義を感じないでもないです。ただ、「甘んじて受ける」と書きましたが、こうした経験の上に「ブックマークコメント」に関する議論がより発展していくならば、被処分者としてこれにまさる喜びはありません*4

幸い、私にはサブアカがありますので、今後はサブアカでブクマするかもしれないです。そのときはよろしくです!

※久々に書いた記事がこんな話題でしょうもないので、そのうちこのエントリは消すかもしれないです。


【追記】
id:zaikabouさん

もしかして、Romanceさんが呟いてたのもこの件?
http://b.hatena.ne.jp/zaikabou/20090205#bookmark-11668443

ビンゴ!*5


【追記2】
id:fuku33さんからトラバがきましたので、手短に追記で応えます。

id:Romanceさん、「当該のコメントを引用するわけにもいかないので控えますが」などと言い訳すれば表面的には繕えるようですが、削除照会をした私の側が照会内容を確かめればすぐ底が割れるような子供っぽい嘘を書いてはいけません。滑稽ですよあなたは。「個々の問題点に対する明確な応答のないまま削除依頼」などと言われても、「福耳は最悪」というブクマコメントに対して、「私は最悪なんかじゃないですよ」とか言い返すことに意味がありますか?

意味ありますよね。普通に。

あと「子どもっぽい嘘」とありますが、全然嘘なんて書いてないです。私は一貫して「ケーキ」というエントリのみを問題にしているということです。私の書き方だと、「『ケーキ』へのブックマーク」っていう意味にとれちゃう? それほどわかりにくい文でもないと思うんですが……。いずれにせよ、私が一貫して「ケーキ」というエントリを問題にしてることは誰が見ても明らかだと思いますので、ブックマークしたエントリがどれかなんてことで読み手をだまそうとなんてしてないし、そんな「滑稽」だなんだと大騒ぎされる意味がよくわかりません。

id:Romanceさん、あなたとあなたの「徒党」は、長期間にわたって理不尽なネガティブコメントを私や、私の意見に一部同意した人に対して投げかけてきました。「脳の失敗」「半ば本気で死んで欲しい」などがその代表例です。

そんなタグ使ったことないし、べつに誰と徒党を組んだ覚えもありません。自分への批判者を勝手に「徒党」などと一枚岩であるかのように妄想すること。これはよくあることかもしれませんし、そのこと自体は仕方のないことだと思います。しかし、この一節は印象操作めく、id:fuku33さん流に言えば「姑息で卑怯な」誘導に思えます。修正要求などはしませんが、誤解を晴らすために一応書いておきます。

あと、「本名タグ」が無関係のところに使われる云々についてなど、すでにid:hokusyuさんが書いていますので、あわせて参照ください。

【参考】
ずいぶんと「ヒートアップ」されているようですが - 過ぎ去ろうとしない過去
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20090207/p2



最後に。上の方でも挙げましたが、id:fuku33さんは私とのファーストコンタクトにおいて「ルサンチマンの海で自分の吐いたアジテーションに溺れているだけ」「反吐が出るようなヒロイズムの臭みを感じます」というレッテル貼りしかしませんでした。今でも「ジャンキーのような相手」とか書いていますが、「公然と侮辱」云々で削除依頼する割には緊張感のない言葉運びだなと驚かされます。とはいえ、私は無論、こんなことは問題にしません。政治的無関心に基づく差別的な発言は問題にしていきたいと思いますし、そもそものエントリを批判したのもそうした問題関心からですが、例えば今回のid:fuku33さんの私に対する「悪罵」については積極的に受け入れたい。むしろ歓迎したいと思っています。id:fuku33さんは自分の言葉運びは棚に上げて「はてなブックマークというコミュニティがあまりにも殺伐とし、多くのユーザーにとっても良いことがないと思った」とおっしゃっていますが、私としてはこうした感情的な言葉も交わされる中での討議を、生木の香りのする言論空間とでも言えばいいのか、なかなか悪いものでもないと思っているんですね。まあ私が勝手にそう思っているだけ万人に強制する気はないし、その過程で言葉で誰かを傷つけてしまうことには十分警戒するべきだとは思います。今回の件に関して、id:fuku33さんの日頃の言葉運び、スターの引用コメントなどから考え合わせて、id:fuku33さんの中での「侮辱」の基準というところで釈然としない思いが全くないわけではないです*6が、私はブックマーク強制非表示処分という不利益を(ひとまず)甘受したいと考えています。削除依頼について、対応をどうするか少し悩んで持て余しているうちに処分が執行されてしまったという経緯はあるものの、未だに「じゃあ削除すればいいのか?」という点について答えが出せない私としては、とりあえず処分されておくことが最も誠実な回答であると考えるからです。


【追記3】
id:rikuoさん

この場合、通常のプライベートの様に閲覧許可ユーザー、とか閲覧許可グループで対応とかできないのだろうか。特別なモードになるのかな。

試してみましたができませんでした。特別なモードのようです。

*1:これは例の「トリアージ騒動」のなかでも極めて早い段階に書かれた「当事者様」からの応答の一つです

*2:私はこのコメントの削除依頼とかしないですけど

*3:見えなくなってるだけだけど

*4:「あとがき」っぽく。ブクマ談義なんてこれからも散々されてきたし今後も続くと思いますが。

*5:でも私のトゥイッタ見てるならfollowすればいいのに……

*6:そもそも、「他人による侮辱」をあげつらう人間なら「他人に対する侮辱」は行わない/慎重であるだろう、という私の思い込みが間違っているのかもしれないです

無人島の話/ビジネス社会の厳しい選択/男性の規範

http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20090116/p2

無人島という「出口のない状況」の中で、ただひとりの女性への「セックスの強要」が当然のように展開し、それを前提にしたなかでジーディー*1とやらをやらせる企業研修のきもちわるさ。

そのへんのことはid:sk-44さんのところでクールに整理されてるので参照↓
http://d.hatena.ne.jp/sk-44/20090119/1232368427

で、この論題を新入社員研修のGDで用いた、ということは、少なくともその場に女性は居なかった、ということですよね——もちろん。 え、違う?

女性もいたということのひどさもさることながら、これ男性に対してもどえらいセクハラですよね……。パワハラといってもいいのかなー。

なんというか、性的搾取状況が前提されているがために、その前提そのものを問うことがあらかじめ禁じられているような空気がありそう。GDのゲームのルール的に。

「うん、一見『船を直した男』悪そうだよね。でもそんなベタな答えを俺が期待してると思う?」

「厳しい選択」を切り抜けてきた(であろう)セクシーなビジネスパーソンが、後ろで内定者たちを見ている。目を細めて微笑しながら。

ビジネスの場、それも一企業の内部では、多くの場合で前提状況そのものを問うことは禁じられている。いや、禁じられてなどいないかのようになってるけど、誰も歓迎はしない*2。「風通しはいい方が良い」という問題意識が共有されていても、実際に風通しを良くするための方法論まで完備されている職場というのは稀ではないかと思う。そこから新たな「状況」を作り出していける人なんて立志伝の中の人物であろうし、内定者研修ともなればなおさら難しい。「厳しさ」への順応を覚悟して臨む内定者たちにとって「甘い」とか言われるのはなによりも不本意だから*3

結局、男性的な性的表現にまつわるある種の規範が依然として健在なんだろうと思う。男性についてのジェンダー規範のうち、「女性には優しく」よりもおぞましい「(男性としての力の行使の一環として)女も征服せよ」みたいなのがまだまかり通っている。理想化された男らしさ、学校一番の女の子をはべらせるジョック。

今の時代、明示的に「男らしさ」を求められることはそんなにない気もする。以前読んだ本*4で、ボーナスが現金手渡しで、その日の晩に男性社員は全員連れ立って「会社御用達」のソープランドに行くのが儀式化している会社の話があったけど、ここまでなのは滅多にないと思う。しかし、「ビジネスにおいて要求される厳しい選択」の担い手としての男性像は未だ古来のジェンダー規範を参照しており、それに付随して性的な意味での力の行使もまた歓迎される。

私の観測範囲での話に過ぎないけど、男性正社員に対する結婚への圧力って、割と普通に見受けられる。「結婚できてこそ一人前」みたいな発想。理想化された人間像を無邪気に表明しているだけかもしれないけど、そこには「力を行使する男性」という規範が紛れ込んでいて、金・クルマ*5の獲得の一環に「女」が含まれてる感じ(「女も征服」)。これって要するに人として見てるというよりモノとして見てる言い方だから。

「船を直すから身体を差し出せ」という「契約」。別にこんなものビジネスでもなんでもないと思うんだけど、「性愛」を人格から切り離して消費できるという考え方=モノとして見る、に基づけば、性的搾取もビジネスの一言で済まされちゃうんだろうなと。

内定者研修の場でこの「思考実験」のもとで選択を強いられ、その過程でジェンダー規範を内包する「ビジネスの論理」を内面化せざるを得ない。十分に内面化してるぞ、ということを表明せざるを得ない。だからこそ男性陣はそのルールに忠実に、「女性の感情論を、ムリヤリ数の力と、論理で押し切った」んだと思う。本当にそびえ立つクソだなー。

*1:グループディスカッションのことらしい……ジェンダーディシジョンかと……

*2:そもそも歓迎されるような性格のものじゃないって考え方すらあると思う

*3:もちろん、この話をGDのテーマに据えるような無神経さ、「ビジネスの論理」を陋劣なままに留めようとする「道徳的無関心」の横行こそが現代の企業として「甘い」のであって、セクシズムに対して昂然と違和を表明することを「甘い」などと一蹴するような態度は全く不当なものだ。それにしても、労働者の権利意識にしても、諸権利を十分に確保できないまま企業が存続していく風土にこそ「甘い」とつきつけるべきなのに、ここの奇妙なねじれはいつでも目につく

*4:QUEER JAPAN Vol.2 変態するサラリーマン」勁草書房

*5:さすがにこういう言い方は古すぎる気がするけど……

TODAY'S リカ

夢見が崎

川崎市幸区には、加瀬山という丘があります。加瀬山は、ふしぎな逸話から「夢見が崎」と呼ばれるようになりました。

太田道灌は、室町時代中期、関東管領上杉家の武将であった。永享4年(1432)から文明18年(1486)の時代に生きた。

この地方を抑えるため多摩丘陵の東端にある加瀬山に築城しようとしたが、当地での露営で、「いきなり一羽の白い大鷲が陣営に風を巻きお越こさんばかりに飛んで来て、そこに置いてあった道灌の兜を掴んで空高く舞い上がり、南西の駒岡の丘に飛び去り兜を落とした」とという夢を見ました。

道灌は、これを不吉の兆しと見て加瀬山への築城を断念した。鷲が兜を落とした地に兜を埋めたといわれます。それから、この地は誰いうとなく「夢見が崎」と呼ばれるようになりました。*1

また、加瀬山の北西側は大昔に切り崩され、今はJRの社宅があります。しかし、今は廃墟になってるっぽいです*2

動物公園、夜のさんぽ

加瀬山には、「夢見が崎動物公園」があります。入場無料の動物園です。「動物園」というより、ちょっと大きな公園に獣舎があるという感じ……。


真夜中だから鳥は寝てるね

まるいねー
―フサホロホロチョウというらしいです
ホロホロ鳥……ってレストランにあるよね?
―いまうちの冷凍庫にもあるって知ってた? こないだ買ってみた


起こしちゃった?

コバタンは夜更かしだねー
―かわいい! インコとかオウムって好き!


小動物たちなら真夜中も会えるよ!

しろうさぎだー
―カイウサギって書いてあります
怪うさぎ?
―飼いうさぎ……かな?
えー、ここにいる動物みんな飼われてるよ?
―だから?
みんなに「飼い」つけないとおかしいと思う!
―「おもに愛玩用か毛皮用だが、家畜化の最初の目的は食用である。*3」だって。ほかの動物はたしかに飼われてるけど、家畜ってほどじゃないんじゃない?


これだれ

フチア? はじめてきくー
―大きなねずみなのかな?

キューバとその近隣の島に住んでいます。南アメリカ原産のヌートリアに近縁の動物で大きなネズミのように見えます。性質はおとなしく、果実や草や葉といった植物質を食べます。現地では、よい食料となるため先住民族時代から狩猟の対象とされてきました。一時は絶滅したと思われたこともあったようですが、数少なく生き残っていました。

国内では当園でしか飼育していない大型のネズミです。*4

めずらしいんだねー
―みんな食べられちゃったんだって


かぞえきれないよ!

モルモットがちょおいっぱいいるー!
―大家族ですね
大きな画像


その他



パンダもいたー!
―ガラス越しにパンダ見るのもいいけど、モルモット大家族とかすごかったですね
すごかったー!
―昼間の時間にはレッサーパンダとかペンギンもいるみたいです


夢見が崎動物公園
http://www.city.kawasaki.jp/30/30yumemi/home/yumemi/yumemi.htm

*1:http://www.netpro.ne.jp/~sasaki/ogura.htm

*2:よく見たら電気ついてる部屋あるし……。もしかしたら住んでる人もいるのかも?

*3:http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/mammals/card/0419.html

*4:http://www.city.kawasaki.jp/30/30yumemi/home/yumemi/hutia.htm

TODAY'S リカ

東京ビッグサイトに行ってきました。


西地区にしか行かなかったよ!

混雑してるー?(かばんの中から)
―ひとは多いけど、案外快適です



いろいろ建設中だよ!

変わった形したビル多いよねー
―あそこに見えてるのはベイコート倶楽部っていうらしいです。会員制のスパとかがあるみたい。
スパ……ってなに?
―よくわかんないけど、ペネロペ・クルスみたいな黒髪の人がはだかで診察台にうつぶせになって、背中に石とか並べられてるイメージしか……。
ロミロミ?
―だいたいあってると思います。あかすりが気持ちいいことは知ってます。



海いいよ海!

結構きれいだよ!
―そういえば、こことは反対側のお台場海浜公園では、海水浴できるように水質浄化の実験してるそうです。カキに浄化させてるって聞いたことあります。

カキを使った東京湾の水質浄化実験が28日、東京都港区台場のお台場海浜公園で始まった。

植物プランクトンを食べるカキは、1個で1日に400リットルの海水を浄化する能力があり、この日は夏休み中の子供が、砂浜近くに浮かべたイカダに、約200個をくくりつけた。最終的には4万個が海中につるされる予定で、都港湾局は「子供が安心して遊べるきれいな水辺にしたい」と意気込む。

東京湾には関東一円の生活排水が流れ込むため、リンや窒素の濃度が高く、人工の砂浜海岸が続くお台場海浜公園も、海水浴が禁止されている。実験ではカキの力でどこまで水が浄化され、海の生態系が回復するかを3年かけて調べる。

実験に参加した主婦川島弓子さん(35)は「こんなにいい砂浜があるのに、泳げないのはもったいない。どこまできれいになるのか楽しみ」と話していた。

お庭があるよ!*1

アーチくぐるよー
―アーチがあるだけで西洋な感じですね。



これはなに?



顔のついた石があるよー?
―石仏? そんな乗っかっちゃったりしたら怒られるかも……*2



虹が出てるよ!*3

霧が出てるよー!
―夏に来たかったですね。



その他


なんの船かなー
―「日本丸」なんだって



【おまけ】
近くに「痛車」駐車場がありましたが、遠巻きに眺めるだけでした

*1:有明西ふ頭公園

*2:公園のサイト見たら「海神像」って書いてありました。怒られるかも……

*3:霧の噴水広場

メモ


・靴を投げ付けられ素早く避けるブッシュを笑うとき、その靴が日本の有権者たる我々にも投げ付けられているものだということは忘れられている。意識されていない。


・ブッシュに靴を投げつけた記者に「共感する」と言ったとき、じゃあ私たちも小泉に靴を投げ付けなければならないのではないか?


イラク人が私たちに靴を投げ付けてきて、例えば私が顔面をケガして鼻血かなんか出したとして、その時に感じる痛みとかおののきは、その瞬間は別に「対テロ戦争」の戦線と関係ない。ただ痛くて怖くてびっくりするってだけだと思う。そして、できればそういう痛い思いとかしたくない。


・でも、あの戦争に荷担したってことは革靴で顔を殴るとかそんなことよりももっと強大で圧倒的な暴力を積極的に認め、手伝ったということ。


・とりあえずくだらないブコメ書いたことを反省してるんだけど。