自称無臭のマジョリティが「スメルハラスメント」とかいう怖い新語を開発
スメルハラスメントという言葉をご存知だろうか。モラスハラスメント、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント・・・、様々なハラスメントがあふれる中、昨今注目を集めているのがスメルハラスメントだ。スメルとは、「臭い(におい)」のこと。つまりスメルハラスメントとは、臭いで周囲に不快感を与えることだ。生まれ持った体臭はどうにもならないけれど、気をつければ何とかなる臭いは防ぎたいもの。
この記事信じられない。。。
「しょうがないにおいはしょうがないけど」みたいなエクスキューズあるけど、どこの誰がすきこのんでスメル発したがるというのだろう。
たしかに、清潔/衛生/においについての感性とかこだわりとか個人差あるとは思う。比較的敏感な人もいれば、鈍感な人もいると思う。
中にはすごく敏感な人もいて、そういう人にとってはラーメン屋の排気口や地下鉄の通路ですら耐えがたいかもしれない。そういう人たちにのみ過大な障害(往来に出られないなど)を強いてる現状があるとすれば、それについて無関心でいいというわけではないし、それは課題として共有していきたい*1。
でも人のにおいとなるとそう簡単な話じゃない。
「あなたはくさい」なんてとても言えない。この記事でも申し訳程度に想定されているけど、「しょうがないにおい」を解決するための困難さを思えば、そんな努力を求めることなんてなかなかできない。そして、しょうがないかどうかなんてわかるわけがない。
「歯周病はすぐに治しましょう」という常識ひろめるとかそういう話?
そんなの当たり前のことで、ことさらに「スメルハラスメント」なんて新語開発してわざわざそんな言葉経由する必要全くない。
あと、食習慣とか体質とかの違いだけじゃなく、職業/生活環境とか時には社会階層の違いによってにおいの異質性が際立つことある。それが「スメルハラスメント」なんて言葉に接続されたら……と想像するのもおそろしい。
【参考】臭いによる排除に抗して - Apes! Not Monkeys! 本館
自称「無臭のマジョリティ」というのが比喩でなく、まさに「問題とされない程度の体臭」であるという立場によって、においの異質性を人間ごと排除していこうとする暴力的な発想、そういう消息を全く考慮しない傲慢さが「スメルハラスメント」という言葉にすでにある。最悪きわまりないと思った*2。