東京メトロ6月の新作



今月は携帯電話の使用。電車内で携帯電話使うのはダメっていうのがなんでかくも常識になってるのかがわからん。心理学者だかなんだかの話で、「人は会話の片一方しか聞こえないと心がざわめく」とかいうのがあったけど、勝手に聞き耳立てて迷惑とか何様だよ。ひとりごとがクセの人も、周囲の人の心がざわめくからって排除するのかな。口を塞ぐのかな。


このブログに「家でやろう」とか「マナーポスター」の検索で来てくれる人がすごく多いので、せっかくだから「反マナーポスター」の考えを読んでいって欲しいです。


この東京メトロのポスター「家でやろう」シリーズはいずれも好評みたいだけど、この手のポスターによるマナー啓発自体に反対の立場なので一つも共感できません。そもそも、「私はこれが迷惑だ」という主張をもって、他人に行動の修正を要求するという態度そのものに正当性はないと考えています。それは多数性を根拠にしたただの抑圧だからです。私の考えでは、車内通話もベビーカーの使用も化粧も飲食もiPodもゆったり座ることも、あらかじめ排除する程の行為ではないし、問題にされるべきはむしろ、そうした行為を排除することが良識的立場において正当化されてしまっている現状です。


http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080419#p1
「家でやろう」を気の効いたコピーだと思って採用してる東京メトロ/デザイナー諸氏は、公共空間における「自由」と「抑圧」についてもっと検討するべきです。


http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080519#p1
「配慮」は美しい日本の文化だと言ったときに、細やかな配慮をすることはまあ美しいと言えるでしょう。ですが、配慮を勝手に期待し、それが得られないときに眉をしかめるのは美しいどころか醜悪な態度です。そこを取り違えているのがまさにマナーポスターという発想なのです。