迷惑防止条例の方を問題にしろよ

アキバ「路上撮影会」の自称グラビアアイドルを逮捕
 
東京・秋葉原歩行者天国で下着を露出したなどとして警視庁万世橋署は25日、都迷惑防止条例違反の疑いで、都内に住む職業不詳、沢本あすか容疑者(30)を逮捕した。

 調べによると、沢本容疑者は4月20日千代田区外神田の歩行者天国で、「路上撮影会」などと称して、スカートをたくし上げて下着を見せるなど過激なポーズを取り、周囲を恥ずかしがらせるような行為をした疑い。

(中略)

 秋葉原のショップ経営者の男性(39)は「歩行者天国のモラル低下が注目されていたときなので、逮捕は良かったと思う。ああいう女性めあての男性が多くなり、新たな犯罪を呼ぶ可能性を恐れていた」と胸をなで下ろす。

 秋葉原メイドカフェで働くメイドの女性(25)も「沢本容疑者を筆頭に、秋葉原歩行者天国では最近、女装したり露出の激しいコスプレをしたパフォーマーが多くなった。メディアで秋葉原の文化のようにとりあげられているが、あれはオタク文化と無関係。秋葉原の安全と文化を守るなら、歩行者天国廃止もやむを得ないのではないか」と話していた。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/25/news133.html


公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

第五条 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/ag10122121.html


これが適用されたのかなー。


児童ポルノ規制に反対する一方で、尻見せを「オタク文化とは無関係」と言ってのける神経は何なんだろうね。おめでたいよ。記号に萌えてるとかなんとか言い訳したって、オタク文化の根底に性衝動との密接な関係があることなんて誰でもわかってることだよ。関係がないと思ってるのなんて言い訳に熱心な当のオタク樣方だけで、どっちにしろ「世間」はそんな言い訳に理解を示したりはしないだろう。


なのに、こういう路上パフォーマンスに対しては、「世間」側に立ってみせて良識派よろしく眉をひそめてみるアホらしさ。
もう一度引用。

秋葉原のショップ経営者の男性(39)は「歩行者天国のモラル低下が注目されていたときなので、逮捕は良かったと思う。ああいう女性めあての男性が多くなり、新たな犯罪を呼ぶ可能性を恐れていた」と胸をなで下ろす。


この考え方って、「ローティーンのアニメキャラがグチョグチョに犯される同人誌目当ての男性は犯罪者予備軍」っていう、まさに児童ポルノ規制派の懸念と全く同じじゃん。


「路上の文化を守るために行き過ぎは良くない」って反論されるかもしれないけど、オタク側の匙加減で「行き過ぎ」とそうでない境界を決めようとしたところで、そんなものはどうでもいい。路上の文化を守りたいなら、この尻見せパフォーマーも積極的に支持して逮捕に抵抗するべきだろう。
歩行者天国に集う人が、生の尻に抱く「不安感/不快感」と、路上にコスプレした人が普通にいることに対する「不安感/不快感」の、この両者に大した差はないんだよ。秋葉原の外にしてみたら。


とはいえ、「路上でのライブ行為禁止」の立て看板完全遵守、さもなくば歩行者天国廃止。という主張をあえてするなら筋が通ってていいとは思うけど、そういう風に規制強化を自ら望む態度はもっと受け入れられないけどね。歩行者天国においてさえ警察権力の交通整理を必要とし、進んで管理されたがるような連中は「文化」云々など口にするなよ。
不安感や不快感がない交ぜになった路上にこそ、文化とか人間の個別性が輝くんじゃないの。昨日の長野とか。予め毒抜きされた、安全安心な歩行者天国を望む連中が「守るべき文化」を心中に抱いてるとは思えない。