立川反戦ビラ有罪確定


反戦運動とかを面白く思わない人は案外多いらしく、この判決を「公共の福祉」の観点から(つまり「表現の自由」の問題ではないとして)支持する意見も多いけど、こんなの明白に言論弾圧の意図があると思うけど。
支持してる連中だって、これが「反戦ビラ」だからこそ支持してるのが行間から見え見えだよ? そういうのを「言論弾圧」って言うんだよw


まあこの判決は「言論の自由」云々とは関係ない、「公共の福祉」の問題だという主張を受け入れたとしても、この判決に問題があることに変わりはない。


言論の自由に対して「公共の福祉」の優位を認めるわけだが、その公共の福祉の侵害の根拠が「住民の不快感」だという。
「当日は受験生が多くて迷惑をかけちゃうのが予想されるから……」とか言い出したプリンスホテルの件に似てる。
(これについては日記書いた)


現代日本の公共道徳の根底には、「異質な他者への理解と対話」はほとんどなくて、「迷惑なものの排除」しかないからね。「公共性」というものに対する綿密な思考が全くないから、こういう幼稚な「迷惑だと言われたらやめとけばいいじゃん」式の戯れ言が公共道徳にまで昇格してしまう。


このサイトでビラの画像も見られるけど、この程度の穏当なビラでイラク派兵について考えてもらうことすら、「迷惑だ」と声を上げれば違法認定されて排除されてしまう。


というわけで、「これは反戦運動に対する言論弾圧じゃない」と言ってる人も多いが、これが意図的な言論弾圧じゃない方がむしろ事態は深刻なんだよ。
あらゆる言論が容易に弾圧されうるということを意味するんだから。


「私は迷惑だ」と声を上げることが直ちに正義だと勘違いしてる自称良識派が「世間」において多数派を形成し、だからこそ最高裁もこんなにバカな判決を下すんだろうね。


少し話は変わるが、光市の事件に関連して、古館伊知郎が「法治国家であると同時に『情治国家』でもあるのだから、国民感情に配慮した判決」云々と人民裁判肯定みたいなトンデモ発言していたが、この今井功裁判長はそれを実践したわけだw