鴎座「ダントンの死について」


鴎座という劇団の「ダントンの死について」という舞台を神楽坂でみてきた。


オルグビューヒナーという劇作家の戯曲「ダントンの死」を下敷きにした舞台。


なんでこれを観に行ったかというと、mixiの「ゲオルグビューヒナー」コミュで告知されてて、その告知してた人にチケットも手配してもらった。多謝。


2007年がビューヒナーの没後170周年とかで、2006年からビューヒナー本の出版が盛んだった。(といっても全集が出て岩波文庫からも出たくらいしか知らないが)
その流れでたまたま岩波文庫を読んで気に入り、そんなコミュにも入ってた。


それで今回の舞台なんだけど、鴎座の佐藤信という人は(舞台見る習慣ないから知らなかったんだけど)有名な人らしく、読み返してみたら岩波文庫の「ヴォイツェク ダントンの死 レンツ」の訳者あとがきでも言及されてた、だからかなり楽しみにして観に行ったんだけど……まるで意味わからず……。


いわゆる「アングラ演劇」の世界の人らしいんだけど、そういうのを好きで見慣れてる人には意味が分かるのか、それとも意味を求めちゃいけないのか知らないけど、とにかく奇妙な空間すぎ。


出演は、男1(笛田宇一郎)男2(KONTA←バービーボーイズの人ね)男3(武内靖彦)女1(滝本直子)鼠(水無潤)の5人。


男1が戯曲「ダントンの死」のダントンの台詞を思いついたように怒鳴り、男2がロベスピエールとかサン=ジュスト側の台詞をこれまた早口で言う。
女1はたまに乱入してきて、「ダントンの死」の女キャラの台詞を叫んですぐ退場するとか。


残りの二人がいよいよ意味不明で、鼠は最初ネズミの着ぐるみ着て出てくるんだけど、途中で音楽に合わせて脱いでしまい、KONTAに襲われたりして序盤にほとんど裸になってしまい、あとはずっと舞台上で踊ったりしてる。
男3は舞台上のマグリットの絵に出てきそうな妙なオブジェを舞台上の右から左へ移動させてみたり、思いついたように裸の鼠と絡んだり、机の陰でずっとしゃがんでたりして謎としか言いようがない。


そんなわけでさっぱり意味わからず、「俺の好きなカミーユ・デムーラン役誰だよ」とか思っていたが、2時間程度の舞台を退屈せずにずっと集中してみてたからそれなりに楽しんだのかもw


直前に「ダントンの死」を読み返してたけど、確かに、ビューヒナーの「ダントンの死」にあるダントンの倦怠感とか、脚本の端々ににじみ出てる猥雑さとか、そういうものが原作が解体された舞台上にも共通してるなとは思った。
鴎座のサイトに上演用台本のpdfがあってそれも読んでみたけどさっぱりwww
あれ渡された役者さんたちも相当大変だったと思うんだけど、ともかくもああいう舞台になるというのがなんだかすごいわw


この劇団鴎座は以前にはハイナー・ミュラーの「ハムレットマシーン」もやったらしいんだけど、なおさら意味不明だっただろうなと予想w


↓舞台の写真有り
http://picasaweb.google.co.jp/kamomezaphoto